アイドル戦国時代と言われている中で、なぜ今アイドルが求められ支持されているのか。
 
この熱狂的なアイドルブームに疑問を持った私たち愉嗚呼社は、私たちの視点からアイドルを見つめ、そこで感じたことを『iDOLEi』というパフォーマンスを通じて表現しました。
 

アイドルはかわいくてみんなの憧れの存在。
しかし、アイドルは大きな目、スタイルの良い体など、フィギュアのような画一化された理想の見た目を要求されます。
その姿は、外見が他の人と違うという理由で奴隷にされ、人間としてではなく商品として扱われる奴隷制度と通じるのではないかと私たちは考えました。
 

さらに、近年ではアイドルはグループ化し、人々は「自分が好きなタイプ」に一番近いアイドルを選べるようになっています。
そんな彼女たちにはキャラクター性が求められます。ツンデレキャラ、食いしん坊キャラ、ブリっ子キャラ……… 個人としての意思や考えの尊重よりも、ファンや消費者、社会が望むような、常に最高の笑顔とキャラクターを演じなくてはなりません。
 

【idola】——実在の正しい把握を妨げ、無知と偏見の原因となるような要因——
 
 
 
  アイドルの語源となったこの言葉は、今も昔も変わらない、人を見た目で判断する社会を色濃く反映しているのではないでしょうか。
 
 
私たちは架空のアイドルグループ『iDOLEi』を作り、
「体を縛っている縄」、「フィギュア台」、「アイドレイたちを縛るマイクコード」などの要素を使うことによって、
アイドルが知らず知らずのうちに奴隷のように商品化されていることを伝えます。

また、人々はアイドルに親近感や素人らしさを求めますが、外見では完璧な容姿を求めます。この矛盾を私たちは誇張して、
全身銀の人間離れした容姿に、排泄・暴力・性欲・娯楽・嫉妬のアイドルには無縁の人間臭すぎる要素を『iDOLEi』のキャラクターで表現しました.。